ACID MOTHERS TEMPLE & SPACE PARANOID@秋葉原クラブグッドマン

三月某日 アシッド・マザーズ・テンプル(以下AMT)のギグに行く。今回はAMT&SPACE PARANOID。タイトルは「Bloody Parinirvana Day(血まみれの涅槃会)~ ACID MOTHERS TEMPLE & SPACE PARANOIDワンマン in 帝都」。SPACE PARANOIDについては以下の紹介文を…

相米慎二特集『あ、春』『魚影の群れ』@早稲田松竹

三月某日 相米慎二監督が気になる。映画はまったく詳しくないんだけど、サブカル系の人の多くが彼の作品に高い評価を与えていることや、様々な伝説的エピソード(人気絶頂アイドルに課したサディスティックとも言える過酷な撮影とか?)に加え、敬愛する大友…

2014新春初笑い―後編:末廣亭ニ之席夜の部

前編に続いて後編では新宿末廣亭ニ之席夜の部で印象に残った高座を紹介していく(ただし、途中入場したため早い時間に出演した一力、時松、三之助、左橋は見逃した)。以下読めば分かるとおり、ベテラン、名人がズラリ揃ったまさにオールスター寄席の観。個…

2014新春初笑い―前編:鈴本演藝場初席第三部

恒例、今年も正月寄席に行ってきた。鈴本(演藝場)初席と(新宿)末廣亭ニノ席の二週連続。 鈴本では今年、これまで初席の主任を務めていた小三治(落語協会会長)が退き、かわって弟子の三三が主任を担った(おそらく今後も?)ことが話題だった。小三治が…

あまちゃんスペシャル・ビッグバンド―年忘れヒットパレード@新宿PIT INN

じぇじぇじぇー!!! サイコーサイコー!! 感動! そしてナ・ミ・ダ…。2013紅白歌合戦「あまちゃん」コーナー見た? ドラマの最終回に見立てた実に粋な演出で感動したぜ。 さてさて、紅白の感動同様、昨年最も印象に残ったマイ・ベスト・ギグはあまちゃん…

マイブラ狂想曲:My Bloody Valentine@東京国際フォーラム

22年間見続けていた夢から覚めた。今まさにマイブラが目の前で演奏している…。 22年前、前作『Loveless』が発表されたときはまだ大学生だった。と言っても授業にはあまり、というかほとんど出席せずにバイトばかりしていた。大学のクラスメートは敵のように…

音楽は魔法ではない?:ニュータイプ・シンガーソングライター、大森靖子

8月29日@新宿ロフト。今年に入ってからずっと気になってるアーティスト、大森靖子のライヴを見てきた。 この日は戸川純とのジョイント・ライヴ。強烈な個性を放つ新旧女シンガーソングライターふたりを一夜で見られるお得なイヴェント。会場には若い女の子…

静謐と幽愁の美学:The Invisible Way/Low

ロウの新作『The Invisible Way』が素晴らしい。 彼らをはじめて聞いたのはアルバム『Secret Name』が発表された1999年で、以来彼らの作品は愛聴し続けてきた。当然新作にも期待していたけど、これほどヘヴィーローテーションするなんて…!! どの曲も聞けば…

一之輔VS小三治:鈴本四月下席夜&浅草五月上席夜

小さん(先代)のゆうつべを眺めつつ、落語は奥が深ぇなぁと感じる今日この頃。先日は一之輔が主任を努めた四月下席の鈴本へ、そして小三治が主任を務めた五月上席の浅草演芸ホールへと寄席通いしてきたぜ。一応お目当ての噺家はいるけれど、それ以外の(特…

悲劇の誕生:Godspeed You! Black Emperor アルバム&ライヴ レビュー

ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラー(以下GY!BE)が新作の録音をしている…。そんなニュースをネットで目にしたのは昨年の秋ぐらいだったろうか。それからすでに数ヶ月、再び『bbf3』をこうしてライヴで聞けるとは...。 一昨年の来日公演(All Tomor…

光と音の宇宙:Filaments Orchestra@世田谷パブリック・シアター

世田谷パブリックシアターで先日行われたフィラメンツ・オーケストラは素晴らしかった。音だけではなく視覚的にも芸術的で、少なくともオレの音楽体験の中ではかつてないほどの美しい公演・作品であった。同時にあのフィラメンツからこのような形の美しい音…

成熟したアマチュア・バンド?:『Fade』/Yo La Tengo

昨年11月、日本のファンへのちょっとしたプレゼントのようにヨ・ラ・テンゴの来日公演が催された。それはオレの古くからの“ヨ・ラ・テンゴ愛”に再び火をつけるに十分な素晴らしいものだった。それをきっかけに過去の作品をひっぱり出しては聞き返し、懐古的…

いぶし銀の魅力に酔う:新宿末廣亭ニ之席夜の部

前回の鈴本演藝場初席に続いて、新宿末廣亭ニ之席夜の部を見てきたよ。柳家一門のベテラン勢が総出演、それ以外にもいぶし銀の魅力を放つ顔ぶれが並び、賑々しくもしっかり聞かせる席だった。てなわけで、以下簡単な感想&メモ。 はん治『粗忽長屋』:前回鈴…

2013年初笑い:鈴本演藝場初席夜の部

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。いったい、このブログを読んでる人がいるのかどうかもわからないが、とりあえず本年もどうかよろしく。 正月は寄席で馬鹿笑いして新年を迎えるのがここ数年の恒例。ってなわけで...今年も見てきたぜ。上野…

この深みまで降りて来い:『捧げる 灰野敬二の世界』

この一年のオレの音楽生活で最も印象に残ったのはやはり灰野敬二の存在だった。年初にオーレン・アンバーチ+ジム・オルークによるトリオを体験し、その後ドキュメント映画公開前夜祭イヴェントで新生不失者(メンバーは亀川千代とRyosuke Kiyasu)を体験。…

永遠のアマチュア・スピリッツ:The Freewheeling Yo La Tengo

ここ数日間、長年愛し続けているバンドのライヴが立て続けにあってずっとフワフワした気分だ。ダイナーソーJr、チェルシー・ライト・ムーヴィング(サーストン・ムーアの新バンド)そして今回のヨ・ラ・テンゴである。ダイナソーにサーストン・ムーア、そし…

相対性理論 presents「位相II」:相対性理論+Thurston Moore(Chelsea Light Moving)

先日のダイナソーを見逃した件は残念きわまりない。しかし不運あれば幸運もあり。その幸運が今回の『相対性理論+サーストン・ムーア』コンサートだった。実はオレ、相対性理論のライヴって今まで見たことなかったんだよね。厳密に言うと各メンバーが参加し…

このリフを永遠に聞いてたいよ:『I Bet on Sky』/Dinosaur Jr.

昨日はダイナソーJrの来日公演だった……が、当日朝まで仕事で行けなかった(起きられなかった)…。最新作『I Bet on Sky』の出来がすこぶるよかっただけに、この機を逃したのは痛い…。この歳になって日本のバンド(アンダーグラウンド以外のJポップとかもね)…

私的アキ・カウリスマキ作品BEST3

フィンランドの映画監督、アキ・カウリスマキの最新作『ル・アーブルの靴磨き』が今年4月に日本で公開された。公開後すぐ、大きな期待とともに勇んで映画館へ出かけていったのだが、期待は少なからず裏切られた。たしかに随所に“カウリスマキ流”の台詞、映像…

a bit like you and me...:奈良美智展

奈良美智の熱烈なファンというわけではない。でも、なぜか彼の絵に惹かれる。そして今展覧会のタイトル『君や僕にちょっと似ている』を耳にしたとき、ビリビリッと音がして回路に電流が流れた。まさに奈良の絵を象徴している!!と。そー、そー、そーなんだ…

最初からそこにある音楽:大友良英 ONE DAY EMSAMBLES

東京国立近代美術館で『14の夕べ』なるイヴェントが開かれている。このイヴェント、音楽関連のプログラムに限って言うなら、普段なかなか見ることのできない大物(?)アーティストが選ばれていて(音楽以外は疎くてわからないけど)なかなか興味深い。小杉…

愛と運命、25年の誤解?:『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』

映画『ベティー・ブルー』公開から25年周年ということで現在、デジタル・リマスター版による再上映が行われている。しかも「日本では見ることが困難だったオリジナル版」なんだそうだ。初公開当時、この映画は大きな話題となった。DVDがなかったあの時代、オ…

真夏の熱気と涼:池袋演芸場納涼特別興行

池袋演芸場の上席、納涼特別興行昼の部初日を見たぞ。 八月上席昼の部主任は小三冶会長! そのほかにも副会長市馬、権太楼に三三と実力人気ともに高い出演者がそろったなんとも豪華な番組。この出演者で三千は安いでしょ!! 当然、平日にも関わらずチケット…

なぜ彼は髪を伸ばし続けるのか?:『ドキュメント 灰野敬二』

『ドキュメント 灰野敬二』、ついに見てきた。 灰野さんのコンサートは今年二度ほど見る機会があった。両方とも不失者としてだが、ひとつはオーレン・アンバーチ(dr)とジム・オルーク(b)を迎えたもの、もうひとつがたぶん今現在の正式メンバーと思われるr…

2012年の原始とリアル:テニスコーツ

先日、とあるライヴが墨田川のほとりにある牛嶋神社で人知れずひっそりと開かれた。「人知れず」などと言っては演奏者に対して失礼だけど、それは彼らの才能とその日の演奏の素晴らしさのわりに訪れた客のが少なかったことに対する皮肉にすぎない。その演奏…

デヴィッド・リンチ展

渋谷ヒカリエ8にて開催中のデヴィッド・リンチ展を見る。 はじめてデヴィッド・リンチに接したのは『エレファント・マン』(1980:暗~く悲しい映画)だった。けど、はっきり彼の名を意識して見たのは―同年代の多くの人がそうだったように―映画ではなく、か…