十月某日 最終日。最も期待していた灰野敬二とのコラボ。灰野さんについては何度かこのブログでは取り上げている(なぜ彼は髪を伸ばし続けるのか?:『ドキュメント 灰野敬二』/この深みまで降りて来い:『捧げる 灰野敬二の世界』)。オレが敬愛する音楽家…
十月某日。 二日目公演は劇団地点とのコラボレーション。地点とは過去にもコラボーレーションしていて、今回が二回目となるわけだが、その緊密かつ意欲的な共同作業はコラボレーションの域を越えている。地点とはどんな劇団なのだろう。 多様なテクストを用…
十月某日。 空間現代が三日間日替わりでコラボーレションをするという企画、その名も「空間現代COLLABORATIONS」に行ってきた。 空間現代は不思議なバンドだ。(ポスト)ロック的でもあるし、実験的ながらも非常に詩的(意外と思う人もいるかもしれないが)…
一月某日 年始からほったらかしにしていた記事の続きをこっそりアップ(いちおう三部として書き始めたのをそのままにするのも気持ちが悪いので)。かなり時間が空いて記憶や印象も薄れてるから内容はあくまで覚書程度です。 時松「はなむけ」:落語ファンの…
三月某日 モグワイがバンド結成から二十年を迎えたそうだ。あれから二十年も経ったのかと思うと感慨深いと同時に時の流れの早さに驚く。その間に色々なことがあったなぁ。英国での生活と本気の永住を考えたり、帰国後はフリーランスで執筆したり、就職したり…
一月某日前篇に続いて中篇は鈴本演芸場。東京の寄席の中では最もじっくりと聞きやすい席と言ってよい。客も心なしか上品な感じがする。それだけに他の寄席より噺家が真剣に臨む傾向にあると感じるのはオレだけか(浅草とは対照的)。寄席にはそれぞれの雰囲…
二月某日 アンサンブルズ・アジアの関連イヴェント、アジアン・ミーティング・フェスティヴァル2015の東京公演を見に行った。 最初にこのコンサートの成り立ちも含めて、関連プロジェクトを説明しておくよ。それぞれ名前も似通っていてごちゃごちゃとわけが…
一月某日 スワンズと言えば、ニューヨーク地下活動組の闇の帝王。若い頃に夢中で聞いていたソニック・ユースとは同じシーンに属し、互いに交流が深かった。当時ジャンクと呼ばれた、今で言ういわゆるインダストリアル・ノイズも初期のソニック・ユースと共通…
一月某日 「元グラビアアイドルの大胆な濡れ場」という惹句に誘われるままスケベ心丸出しで見に行った。「○○初の本格的濡れ場」、「体当たりの演技」、「過激なベッドシーン」、「濃厚なカラミ」…毎度使われる宣伝文句。でも予告編を見て直感的に面白そうだ…
一月某日 今年も行ってきました。ここ数年、正月には必ず寄席を訪れている。オレにとっては初詣みたいなもん。寄席詣である。今年は浅草、上野鈴本、新宿末廣亭と三席回ったので、前編中篇後編に分けて記事を書いてくよ。 まずは浅草演藝ホールからスタート…
八月某日 前回記事からの続き・・・ 新作を引提げてピクシーズが来日する。出演するのはサマソニ2014、ソニック・ステージのトリである。 お目当てが登場するのは20:20pmの予定だが、高いチケット代を払ったのでモトをとりたいっていう欲をかいて午後の早い…
八月某日 実に14年ぶりにサマー・ソニックに行ってきた。何年ぶりというよりも、富士急ハイランドで開催された第一回サマー・ソニック(2000年)以来である。幕張に移ってからはもちろん初めてだし、夏フェス自体、最後に行ったのが10年近く前(いつだったか…
八月某日 2013年カンヌ映画祭パルムドール受賞作。受賞の時点で大きな話題となってたし、レア・セドゥも出てるし、これは必ず見なくては!と思って公開間もなくして見に行った。が、消化不良というか、よく理解できなかったので、もう一度見に行った。今回が…
八月某日 JOLTというイヴェントに行ってきた。 出演: 鈴木昭男 + 齋藤徹 IF I COULD SING (feat. The BOLT Ensemble, from Australia) 中村としまる + 広瀬淳二 + 山本達久 永田砂知子 + chiharu mk + 中山晃子 (alive painting) DJ: Evil Penguin 目玉はも…
…前回記事からの続き。 三本目。『フラガール』 『ウォーター・ボーイズ』に続いて、またもダンスもの。『ウォーター・ボーイズ』にしても『フラガール』にしても、主人公がずば抜けたダンスの才能の持ち主というわけではないけれど、彼ら彼女らの踊りを見て…
・・・前回記事からの続き。 二本目。『ウォーター・ボーイズ』 テレビドラマで見たことあるぞ。てっきり昨今よくあるテレビドラマ人気からの映画化(劇場版)っていうパターンのひとつかと思ってたんだけど、そうじゃないのね。コレは映画が先にヒットして…
七月某日 ギンレイホールで今年から始まった月いちイヴェント、『午前0時のフィルム試写会』。月に一度、過去の上映作品の中から人気を博したものを三本立てオールナイトで上映する企画。しかもデジタルではなく、あくまでもフィルムにこだわった上映。 今回…
七月某日 話題の映画、『私の男』を見る。『ヒミズ』を見て印象に残った二階堂ふみが主人公、花を演じている。二階堂は『ヒミズ』以降も『悪の経典』、『地獄でなぜ悪い』、『ほとりの朔子』と、どの作品でも注目され、女優としての高い評価が聞こえてくる。…
七月某日 神楽坂近くに住んでいる。通勤途中に坂を上り下りし、散歩や買い物に行くだけでなく、飲み歩くことも多い。この街の魅力はいろいろあるけど、最大の魅力はやはり今も残る江戸風情だろう。少なくともオレはそこが気に入っている。花街として賑わって…
六月某日 ギターの音が大好き。透明な澄んだ音も好きだけど、歪んだ音がもっと好き。ギターが電気化されたことでそういう歪みが増幅され強調されるようになったけど、そこには、何ていうのかな、人工的な歪みと自然にできる歪みの違いがある。例えるなら、チ…
五月某日 今さらながら見てきた。音楽のために作られたギャグ映画だった。吸血鬼を完全に小馬鹿にしたパロディ。大爆笑とはいかない が、クスッとさせるところはある。アダムとイヴなんてベタ過ぎるぜ。名女優ティルダ・スウィントンとトム・ヒドルストンが…
五月某日 「どんな音楽が好き?」って聞かれた時、どう答えていいかわからない。「説明できないから」と切り捨てたら会話が続かない(無理に続ける必要がないって声もあるだろうけど…)し、かと言って「こんな音楽です」とバカ正直にアーティストの名前を挙…
五月某日 沁みた~。深く、深~く沁みこんだ。決して押しつけがましくない。自然と寄り添ってくる。熱狂とか興奮とはちょっと違う。でも、やっぱりヨ・ラ・テンゴはオレにとってとても大事なバンドなのだな。あらためて実感した。過去の記事にも書いたけど、…
五月某日 昨年は『あまちゃん』人気で一躍有名人となった大友良英。劇伴作曲家として彼の名を知る人は多くなったけど、ノイズ・ミュージック~即興演奏~実験音楽と多 岐にわたる、そして“コア”な作品と活動はまだまだ一般的じゃないかもね。そんな大友さん…
四月某日 ずっと見たかった映画を劇場で見る。特集「AVANTGARDE百花繚乱 挑発:ATGの時代」のラインナップのひとつ、1976年に公開された『青春の殺人者』(監督:長谷川和彦)。ATGとは「大手映画会社とは一線を画す芸術映画や実験的作品の配給、また独立プ…
三月某日 ティーンジェネレイトって覚えてる? 1993~1995年頃に活動していた日本のインディー・バンド。若い人の多くは知らないだろうな。ガレージ・ロック好きなら知ってるかも。 彼らの名前をはじめて聞いたのは、英国BBCラジオの名物DJ、 ジョン・ピール…
三月某日 植野隆司(テニスコーツ)の新作「植野フォーク100」の発売記念ライヴを見た。 「植野フォーク100」は6本のカセットテープにタイトルそのまま100曲が収録されている。今回、そこに収録された全曲を三日間で演奏するらしく(結果的に未収録の1曲+カ…
三月某日 『危険なプロット』との二本立だったので、まったくの予備知識無しで見た。首から下のほぼ全身が麻痺した障碍者がセックス・サロゲイト(セックス代行人)を雇い童貞を捨てるために奮闘するという、実話をもとに作られた映画だ。テーマだけでも興味…
三月某日 『危険なプロット』(監督:フランソワ・オゾン/2013年日本公開)。二度目。前回は1~2ヶ月前に早稲田松竹で見た。おもしろかったので、文学好きの友人を誘って再見した次第。 こういう文学ミステリー&サスペンス(よく言う“ミステリー小説”じゃ…
三月某日 昨年の夏に公開されて以来、ずっと見たいなと思っていたのになぜか見る機会がなかった『恋の渦』をついに見た@新宿K’sシネマ! なんで見たかったと言うと、『モテキ』を見ておもしろかったので他の大根仁作品も見たいと単純に思ったからなんだけど…