映画

市川由衣のピンクの乳首:「海を感じる時」@キネカ大森

一月某日 「元グラビアアイドルの大胆な濡れ場」という惹句に誘われるままスケベ心丸出しで見に行った。「○○初の本格的濡れ場」、「体当たりの演技」、「過激なベッドシーン」、「濃厚なカラミ」…毎度使われる宣伝文句。でも予告編を見て直感的に面白そうだ…

無規定な自我との葛藤。もしレズビアンじゃなかったら…:『アデル、ブルーは熱い色』@早稲田松竹

八月某日 2013年カンヌ映画祭パルムドール受賞作。受賞の時点で大きな話題となってたし、レア・セドゥも出てるし、これは必ず見なくては!と思って公開間もなくして見に行った。が、消化不良というか、よく理解できなかったので、もう一度見に行った。今回が…

午前0時のフィルム映写会@ギンレイホール:その三『フラガール』

…前回記事からの続き。 三本目。『フラガール』 『ウォーター・ボーイズ』に続いて、またもダンスもの。『ウォーター・ボーイズ』にしても『フラガール』にしても、主人公がずば抜けたダンスの才能の持ち主というわけではないけれど、彼ら彼女らの踊りを見て…

午前0時のフィルム映写会@ギンレイホール:その二『ウォーターボーイズ』

・・・前回記事からの続き。 二本目。『ウォーター・ボーイズ』 テレビドラマで見たことあるぞ。てっきり昨今よくあるテレビドラマ人気からの映画化(劇場版)っていうパターンのひとつかと思ってたんだけど、そうじゃないのね。コレは映画が先にヒットして…

午前0時のフィルム映写会@ギンレイホール:その一『シコふんじゃった』

七月某日 ギンレイホールで今年から始まった月いちイヴェント、『午前0時のフィルム試写会』。月に一度、過去の上映作品の中から人気を博したものを三本立てオールナイトで上映する企画。しかもデジタルではなく、あくまでもフィルムにこだわった上映。 今回…

日本映画史に残る名シーン?:『私の男』@池袋ヒューマックス

七月某日 話題の映画、『私の男』を見る。『ヒミズ』を見て印象に残った二階堂ふみが主人公、花を演じている。二階堂は『ヒミズ』以降も『悪の経典』、『地獄でなぜ悪い』、『ほとりの朔子』と、どの作品でも注目され、女優としての高い評価が聞こえてくる。…

エキゾチック・スロウコア:『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』@キネカ大森

五月某日 今さらながら見てきた。音楽のために作られたギャグ映画だった。吸血鬼を完全に小馬鹿にしたパロディ。大爆笑とはいかない が、クスッとさせるところはある。アダムとイヴなんてベタ過ぎるぜ。名女優ティルダ・スウィントンとトム・ヒドルストンが…

いかなる権威にも囚われない:『CRASS:ゼア・イズ・ノー・オーソリティ・バット・ユアセルフ』@新宿K’sシネマ

五月某日 「どんな音楽が好き?」って聞かれた時、どう答えていいかわからない。「説明できないから」と切り捨てたら会話が続かない(無理に続ける必要がないって声もあるだろうけど…)し、かと言って「こんな音楽です」とバカ正直にアーティストの名前を挙…

右京さんはかつて鋭利な刃物だった:『青春の殺人者』@ラピュタ阿佐ヶ谷

四月某日 ずっと見たかった映画を劇場で見る。特集「AVANTGARDE百花繚乱 挑発:ATGの時代」のラインナップのひとつ、1976年に公開された『青春の殺人者』(監督:長谷川和彦)。ATGとは「大手映画会社とは一線を画す芸術映画や実験的作品の配給、また独立プ…

ガレージロック、いや全ロックンロール・ファン必見!!:『GET ACTION!!』@シネマート新宿

三月某日 ティーンジェネレイトって覚えてる? 1993~1995年頃に活動していた日本のインディー・バンド。若い人の多くは知らないだろうな。ガレージ・ロック好きなら知ってるかも。 彼らの名前をはじめて聞いたのは、英国BBCラジオの名物DJ、 ジョン・ピール…

生と性を謳歌しよう:『セッションズ』@飯田橋ギンレイホール

三月某日 『危険なプロット』との二本立だったので、まったくの予備知識無しで見た。首から下のほぼ全身が麻痺した障碍者がセックス・サロゲイト(セックス代行人)を雇い童貞を捨てるために奮闘するという、実話をもとに作られた映画だ。テーマだけでも興味…

“続く・・・”:『危険なプロット』@飯田橋ギンレイホール

三月某日 『危険なプロット』(監督:フランソワ・オゾン/2013年日本公開)。二度目。前回は1~2ヶ月前に早稲田松竹で見た。おもしろかったので、文学好きの友人を誘って再見した次第。 こういう文学ミステリー&サスペンス(よく言う“ミステリー小説”じゃ…

彼女&彼氏と一緒に見てはいけない?:『恋の渦』@新宿K’sシネマ

三月某日 昨年の夏に公開されて以来、ずっと見たいなと思っていたのになぜか見る機会がなかった『恋の渦』をついに見た@新宿K’sシネマ! なんで見たかったと言うと、『モテキ』を見ておもしろかったので他の大根仁作品も見たいと単純に思ったからなんだけど…

相米慎二特集『あ、春』『魚影の群れ』@早稲田松竹

三月某日 相米慎二監督が気になる。映画はまったく詳しくないんだけど、サブカル系の人の多くが彼の作品に高い評価を与えていることや、様々な伝説的エピソード(人気絶頂アイドルに課したサディスティックとも言える過酷な撮影とか?)に加え、敬愛する大友…

私的アキ・カウリスマキ作品BEST3

フィンランドの映画監督、アキ・カウリスマキの最新作『ル・アーブルの靴磨き』が今年4月に日本で公開された。公開後すぐ、大きな期待とともに勇んで映画館へ出かけていったのだが、期待は少なからず裏切られた。たしかに随所に“カウリスマキ流”の台詞、映像…

愛と運命、25年の誤解?:『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』

映画『ベティー・ブルー』公開から25年周年ということで現在、デジタル・リマスター版による再上映が行われている。しかも「日本では見ることが困難だったオリジナル版」なんだそうだ。初公開当時、この映画は大きな話題となった。DVDがなかったあの時代、オ…

なぜ彼は髪を伸ばし続けるのか?:『ドキュメント 灰野敬二』

『ドキュメント 灰野敬二』、ついに見てきた。 灰野さんのコンサートは今年二度ほど見る機会があった。両方とも不失者としてだが、ひとつはオーレン・アンバーチ(dr)とジム・オルーク(b)を迎えたもの、もうひとつがたぶん今現在の正式メンバーと思われるr…