2014-01-01から1年間の記事一覧

PIXIES:アルバム『Indie Cindy』&ライヴ@サマソニ2014・レビュー(後編)

八月某日 前回記事からの続き・・・ 新作を引提げてピクシーズが来日する。出演するのはサマソニ2014、ソニック・ステージのトリである。 お目当てが登場するのは20:20pmの予定だが、高いチケット代を払ったのでモトをとりたいっていう欲をかいて午後の早い…

PIXIES:アルバム『Indie Cindy』&ライヴ@サマソニ2014・レビュー(前編)

八月某日 実に14年ぶりにサマー・ソニックに行ってきた。何年ぶりというよりも、富士急ハイランドで開催された第一回サマー・ソニック(2000年)以来である。幕張に移ってからはもちろん初めてだし、夏フェス自体、最後に行ったのが10年近く前(いつだったか…

無規定な自我との葛藤。もしレズビアンじゃなかったら…:『アデル、ブルーは熱い色』@早稲田松竹

八月某日 2013年カンヌ映画祭パルムドール受賞作。受賞の時点で大きな話題となってたし、レア・セドゥも出てるし、これは必ず見なくては!と思って公開間もなくして見に行った。が、消化不良というか、よく理解できなかったので、もう一度見に行った。今回が…

鈴木昭男+齋藤徹、10年振りの共演:JOLT@六本木スーパーデラックス

八月某日 JOLTというイヴェントに行ってきた。 出演: 鈴木昭男 + 齋藤徹 IF I COULD SING (feat. The BOLT Ensemble, from Australia) 中村としまる + 広瀬淳二 + 山本達久 永田砂知子 + chiharu mk + 中山晃子 (alive painting) DJ: Evil Penguin 目玉はも…

午前0時のフィルム映写会@ギンレイホール:その三『フラガール』

…前回記事からの続き。 三本目。『フラガール』 『ウォーター・ボーイズ』に続いて、またもダンスもの。『ウォーター・ボーイズ』にしても『フラガール』にしても、主人公がずば抜けたダンスの才能の持ち主というわけではないけれど、彼ら彼女らの踊りを見て…

午前0時のフィルム映写会@ギンレイホール:その二『ウォーターボーイズ』

・・・前回記事からの続き。 二本目。『ウォーター・ボーイズ』 テレビドラマで見たことあるぞ。てっきり昨今よくあるテレビドラマ人気からの映画化(劇場版)っていうパターンのひとつかと思ってたんだけど、そうじゃないのね。コレは映画が先にヒットして…

午前0時のフィルム映写会@ギンレイホール:その一『シコふんじゃった』

七月某日 ギンレイホールで今年から始まった月いちイヴェント、『午前0時のフィルム試写会』。月に一度、過去の上映作品の中から人気を博したものを三本立てオールナイトで上映する企画。しかもデジタルではなく、あくまでもフィルムにこだわった上映。 今回…

日本映画史に残る名シーン?:『私の男』@池袋ヒューマックス

七月某日 話題の映画、『私の男』を見る。『ヒミズ』を見て印象に残った二階堂ふみが主人公、花を演じている。二階堂は『ヒミズ』以降も『悪の経典』、『地獄でなぜ悪い』、『ほとりの朔子』と、どの作品でも注目され、女優としての高い評価が聞こえてくる。…

神楽坂二人会夜席@牛込箪笥区民ホール

七月某日 神楽坂近くに住んでいる。通勤途中に坂を上り下りし、散歩や買い物に行くだけでなく、飲み歩くことも多い。この街の魅力はいろいろあるけど、最大の魅力はやはり今も残る江戸風情だろう。少なくともオレはそこが気に入っている。花街として賑わって…

ビリビリと震える空気、ズシリとのしかかる重さ:Earth@新大久保アースダム

六月某日 ギターの音が大好き。透明な澄んだ音も好きだけど、歪んだ音がもっと好き。ギターが電気化されたことでそういう歪みが増幅され強調されるようになったけど、そこには、何ていうのかな、人工的な歪みと自然にできる歪みの違いがある。例えるなら、チ…

エキゾチック・スロウコア:『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』@キネカ大森

五月某日 今さらながら見てきた。音楽のために作られたギャグ映画だった。吸血鬼を完全に小馬鹿にしたパロディ。大爆笑とはいかない が、クスッとさせるところはある。アダムとイヴなんてベタ過ぎるぜ。名女優ティルダ・スウィントンとトム・ヒドルストンが…

いかなる権威にも囚われない:『CRASS:ゼア・イズ・ノー・オーソリティ・バット・ユアセルフ』@新宿K’sシネマ

五月某日 「どんな音楽が好き?」って聞かれた時、どう答えていいかわからない。「説明できないから」と切り捨てたら会話が続かない(無理に続ける必要がないって声もあるだろうけど…)し、かと言って「こんな音楽です」とバカ正直にアーティストの名前を挙…

沁みた~。深く、深~く沁みこんだ…:Yo La Tengo@六本木エックスシアター

五月某日 沁みた~。深く、深~く沁みこんだ。決して押しつけがましくない。自然と寄り添ってくる。熱狂とか興奮とはちょっと違う。でも、やっぱりヨ・ラ・テンゴはオレにとってとても大事なバンドなのだな。あらためて実感した。過去の記事にも書いたけど、…

さよならバウスシアター、最後の宴。コア・アノード篇@吉祥寺バウスシアター

五月某日 昨年は『あまちゃん』人気で一躍有名人となった大友良英。劇伴作曲家として彼の名を知る人は多くなったけど、ノイズ・ミュージック~即興演奏~実験音楽と多 岐にわたる、そして“コア”な作品と活動はまだまだ一般的じゃないかもね。そんな大友さん…

右京さんはかつて鋭利な刃物だった:『青春の殺人者』@ラピュタ阿佐ヶ谷

四月某日 ずっと見たかった映画を劇場で見る。特集「AVANTGARDE百花繚乱 挑発:ATGの時代」のラインナップのひとつ、1976年に公開された『青春の殺人者』(監督:長谷川和彦)。ATGとは「大手映画会社とは一線を画す芸術映画や実験的作品の配給、また独立プ…

ガレージロック、いや全ロックンロール・ファン必見!!:『GET ACTION!!』@シネマート新宿

三月某日 ティーンジェネレイトって覚えてる? 1993~1995年頃に活動していた日本のインディー・バンド。若い人の多くは知らないだろうな。ガレージ・ロック好きなら知ってるかも。 彼らの名前をはじめて聞いたのは、英国BBCラジオの名物DJ、 ジョン・ピール…

プリミティヴな歌の中にある狂気:植野隆司フォーク100@高円寺円盤

三月某日 植野隆司(テニスコーツ)の新作「植野フォーク100」の発売記念ライヴを見た。 「植野フォーク100」は6本のカセットテープにタイトルそのまま100曲が収録されている。今回、そこに収録された全曲を三日間で演奏するらしく(結果的に未収録の1曲+カ…

生と性を謳歌しよう:『セッションズ』@飯田橋ギンレイホール

三月某日 『危険なプロット』との二本立だったので、まったくの予備知識無しで見た。首から下のほぼ全身が麻痺した障碍者がセックス・サロゲイト(セックス代行人)を雇い童貞を捨てるために奮闘するという、実話をもとに作られた映画だ。テーマだけでも興味…

“続く・・・”:『危険なプロット』@飯田橋ギンレイホール

三月某日 『危険なプロット』(監督:フランソワ・オゾン/2013年日本公開)。二度目。前回は1~2ヶ月前に早稲田松竹で見た。おもしろかったので、文学好きの友人を誘って再見した次第。 こういう文学ミステリー&サスペンス(よく言う“ミステリー小説”じゃ…

彼女&彼氏と一緒に見てはいけない?:『恋の渦』@新宿K’sシネマ

三月某日 昨年の夏に公開されて以来、ずっと見たいなと思っていたのになぜか見る機会がなかった『恋の渦』をついに見た@新宿K’sシネマ! なんで見たかったと言うと、『モテキ』を見ておもしろかったので他の大根仁作品も見たいと単純に思ったからなんだけど…

ACID MOTHERS TEMPLE & SPACE PARANOID@秋葉原クラブグッドマン

三月某日 アシッド・マザーズ・テンプル(以下AMT)のギグに行く。今回はAMT&SPACE PARANOID。タイトルは「Bloody Parinirvana Day(血まみれの涅槃会)~ ACID MOTHERS TEMPLE & SPACE PARANOIDワンマン in 帝都」。SPACE PARANOIDについては以下の紹介文を…

相米慎二特集『あ、春』『魚影の群れ』@早稲田松竹

三月某日 相米慎二監督が気になる。映画はまったく詳しくないんだけど、サブカル系の人の多くが彼の作品に高い評価を与えていることや、様々な伝説的エピソード(人気絶頂アイドルに課したサディスティックとも言える過酷な撮影とか?)に加え、敬愛する大友…

2014新春初笑い―後編:末廣亭ニ之席夜の部

前編に続いて後編では新宿末廣亭ニ之席夜の部で印象に残った高座を紹介していく(ただし、途中入場したため早い時間に出演した一力、時松、三之助、左橋は見逃した)。以下読めば分かるとおり、ベテラン、名人がズラリ揃ったまさにオールスター寄席の観。個…

2014新春初笑い―前編:鈴本演藝場初席第三部

恒例、今年も正月寄席に行ってきた。鈴本(演藝場)初席と(新宿)末廣亭ニノ席の二週連続。 鈴本では今年、これまで初席の主任を務めていた小三治(落語協会会長)が退き、かわって弟子の三三が主任を担った(おそらく今後も?)ことが話題だった。小三治が…

あまちゃんスペシャル・ビッグバンド―年忘れヒットパレード@新宿PIT INN

じぇじぇじぇー!!! サイコーサイコー!! 感動! そしてナ・ミ・ダ…。2013紅白歌合戦「あまちゃん」コーナー見た? ドラマの最終回に見立てた実に粋な演出で感動したぜ。 さてさて、紅白の感動同様、昨年最も印象に残ったマイ・ベスト・ギグはあまちゃん…